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聖書の日本語訳の種類
さて、聖書を買うにあたっていくつか知っておくとよいことがあります。
まずは翻訳について、簡単に説明します。

聖書はヘブライ語、アラム語、ギリシャ語などで書かれていました。それを各国語に翻訳したものがそれぞれの国で販売されています。とはいえ原本は見つかっていません。写本といって、印刷機がなかった時代に手で書き写していたものが元になっています。もし原本が見つかったら大騒ぎですね。
国によってはギリシャ語などからではなく、英語・フランス語などからその国の言葉へ翻訳している場合もあるかも。日本語版はたいてい元の言語の写本から翻訳していると思います。

さて、一口に日本語訳といっても何種類かが存在します。シェイクスピアの本をいろいろな人が翻訳しているようなものですね。

例えばハムレットに出てくる有名なせりふ、
Frailty, thy name is woman! (thy は your の古い言い方)
は、
弱き者よ、汝の名は女なり!(福田恒存訳)
心弱きもの、おまえの名は女!(小田島雄志訳)
など何種類かの翻訳が存在しています。

他にも、日本語ならではで色々と翻訳できると思います。君の名前は女性です、あなたの名は女性である、貴様の名は女でござる、などなど、翻訳によって受け取る印象が変わったり、意味合いさえも変わってしまうことがあると思います。

聖書も様々な団体が、それぞれの解釈で翻訳しています。大筋はあまり変わらないのでしょうけど、細かい単語とかニュアンスとか、それこそ意味そのものまで違うように受け取られてしまう場合もあると思います。どれがいいとか悪いとかではなく、とにかく複数の翻訳があるのだなと思ってください。

以下、代表的な翻訳です。日本語訳されている同じ箇所の文章も、わかる範囲でですが付けてみました。

新共同訳 日本聖書協会 プロテスタントの一部の団体とカトリックが共同で翻訳した聖書です。 天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」
マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。
口語訳 日本聖書協会 戦後に翻訳されたものですが今はほとんど使っておらず、上記の新共同訳が主流となっています。新約聖書は昭和29年に出版されました。 御使がマリヤのところにきて言った、「恵まれた女よ、おめでとう、主があなたと共におられます」。
この言葉にマリヤはひどく胸騒ぎがして、このあいさつはなんの事であろうかと、思いめぐらしていた。
文語訳 日本聖書協会 口語訳よりも昔の翻訳です。読んでいただいてわかるとおり、するする読める文体ではありません。 御使、處女の許にきたりて言ふ「めでたし、惠まるる者よ、主なんぢと偕に在せり」
マリヤこの言によりて心いたく騷ぎ、斯かる挨拶は如何なる事ぞと思ひ廻らしたるに、
新改訳 いのちのことば社 プロテスタントの一部の団体が使っている翻訳です。 御使いは、入って来ると、マリヤに言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます。{あなたはどの女よりも祝福された方です。}」
しかし、マリヤはこのことばに、ひどくとまどって、これはいったい何のあいさつかと考え込んだ。

もしカトリック教会に行こうっと思っているなら「新共同訳」をお勧めします。ミサでも聖書の勉強会でも、何かの引用に使うときでも、日本のカトリック教会はこの翻訳バージョンを使っています。

tiziano_annunciazione00.jpg
ティツィアーノ・ヴェチェッリオの受胎告知
リストに記載した、天使ガブリエルがお腹に子供が宿ることを告げているシーンです。マリア様も最初は戸惑うのですが、このすぐ後には望んで受け入れることになります。この絵はビックリな情報を告げられたまさにその瞬間って感じですね。



なお、余談ではありますが、キリスト教ではない団体(正教会・プロテスタント・カトリックから見ると、神の定義や聖書の解釈が違いすぎたりして、キリスト教を名乗られると世間に誤解が生じるなあ、わたしも実は誤解していました、という団体)が出している聖書は、お勧めしません。新世界訳聖書、モルモン書などです。
【2010/03/13 17:30】 | カトリック・キリスト教 | trackback(0) | comments(3) | page top↑
<<旧約聖書と新約聖書 | home | 聖書を買うその前に>>
コメント * comments
興味ある記事です。参考になります。
【2010/03/17 08:19】 URL | NJWindow [ 編集] | page top↑
NJWindowさん
コメントありがとうございます。
ご参考になれば嬉しいです。
【2010/03/17 23:21】 URL | れい [ 編集] | page top↑
何気なく立ち寄らせていただきました。私はカトリックなもので新共同訳ばかりですが、このような丁寧な解説は聖書初学者に必ずや有益なものとなることでしょう。筆者様のお仕事に、心より御礼申し上げます。
【2012/08/15 05:05】 URL | カノッサ・吉田 [ 編集] | page top↑
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